社会福祉法人/事業費と事務費の区分
社会福祉法人の費用(支出)には、「事業費(支出)」、「事務費(支出)」の大区分がありますが、この区分の考え方について整理します。
※()は資金収支計算書上の表現です。
事業費(支出)と事務費(支出)の意味
事業費(支出)は施設の利用者のために直接使用した経費で、事務費(支出)は本部及び施設の運営事務に使用した経費のことをいいます。
社会福祉法人会計基準(省令第79号)の別表第二(資金収支計算書は別表第一)に記載されている事業費(支出)と事務費(支出)のどちらにもある(似たような名称のものも含む)勘定科目は以下の通りですが、これらの分類は施設の利用者のために使ったものか、それ以外かで区分します。
事業費(支出) | 事務費(支出) |
消耗器具備品費(支出) | 事務消耗品費(支出) |
被服費(支出) | 職員被服費(支出) |
水道光熱費(支出) | 水道光熱費(支出) |
燃料費(支出) | 燃料費(支出) |
保険料(支出) | 保険料(支出) |
賃借料(支出) | 賃借料(支出) |
雑費(雑支出) | 雑費(雑支出) |
事業費(支出)にまとめてよい勘定科目
上記の勘定科目のうち、以下の勘定科目については事業費(支出)と事務費(支出)に分けずに、原則、事業費(支出)のみに計上することができます。(「社会福祉法人会計基準の制定に伴う会計処理等に関する運用上の留意事項について」13 共通支出及び費用の配分方法)
- 水道光熱費(支出)
- 燃料費(支出)
- 保険料(支出)
- 賃借料(支出)
ただし、これらの費用(支出)であっても、措置費、保育所委託費の弾力運用が認められない場合は、事業費(支出)、事務費(支出)に分けて計上しなければなりません。(弾力運用が認められない場合はあまりないと思われますが。)
まれに上記勘定科目が事務費にも計上されていることがありますので、注意が必要です。
本部経費は事務費(支出)のみ
上記の通り、水道光熱費(支出)、燃料費(支出)、保険料(支出)、賃借料(支出)は原則、事業費のみに計上できますが、本部拠点区分(または本部サービス区分)に係るこれらの経費については、全て事務費(支出)で処理した方が良いと考えます。
本部では事務費(支出)しか発生し得ないはずです。
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