確定申告の提出方法は3つ。最適はe-Tax【今年からできるやさしい手順】

確定申告の提出は「e-Tax・郵送・持参」の3択です。本記事では、なぜ「e-Tax」が最適なのか、添付書類の省略や還付の早さといったメリット、注意点を比較解説。初めての方や紙提出から乗り換える方へ、国税庁の「確定申告書等無料コーナー」を使った「今年からできる簡単な手順」を紹介します。

本記事は、一般的な概要と選択肢について解説するものです。特定の個人・法人に対する税務アドバイスを提供するものではありません。制度の適用や具体的な判断にあたっては、必ず最新の法令等をご確認いただくか、税理士等の専門家または所轄税務署にご相談ください。

確定申告書の提出方法のポイント(結論)

  • 確定申告の提出方法は「e-Tax」「郵送」「持参」の3択だが、添付書類の省略還付の早さ(約3週間)の面で「e-Tax」が最適である。
  • 国税庁の「確定申告書等作成コーナー」は無料で利用でき、申告書の作成からe-Tax送信まで(スマホ申告含む)をワンストップで完結できる。
  • 2025年10月から「ID・パスワード方式」の新規発行が停止されるため、これからe-Taxを始める(または移行する)場合は「マイナンバーカード方式」が必須となる。

この記事の想定読者と到達目標

想定読者

初めての確定申告で提出方法に迷う方/紙で提出してきたが電子申告に踏み切れていない方/電子申告のメリットが分からない方

到達目標

この記事だけで「自分に合う提出方法」を選び、国税庁「確定申告書等作成コーナー」で今年から作成→提出できる

1. 確定申告書の提出方法

提出方法は3種類
  1. e-Tax(電子申告):インターネットで送信
  2. 郵送:第一種郵便または信書便で所轄税務署へ送付
  3. 税務署へ持参:窓口または時間外収受箱へ投函

※いずれも国税の確定申告に利用される一般的な提出方法です。

申告期間

所得税の確定申告の期間は、2月16日から3月15日までです。(土日祝日である場合は翌平日)

2. e-Taxが“最適”な理由

e-Taxの主なメリット
  • 添付書類の省略:生命保険料控除証明書、社会保険料控除証明書、医療費通知など多くの「第三者作成書類」は、内容を入力すれば提出提示を省略可能(原則5年間の保管が必要)。
  • 還付が早い:自宅等からのe-Tax還付申告は概ね3週間程度で処理。状況はe-Taxの還付金処理状況から確認可。
  • 青色65万円控除の条件を満たしやすい:複式簿記+期限内申告に加え、e-Taxでの電子申告(または優良な電子帳簿保存)で65万円控除の対象。(事業所得/不動産所得が対象(いずれも条件あり))
  • 控えの受領証明の確実性:2025年1月から収受日付印は廃止。e-Taxなら受信通知が提出証明として残ります。
  • マイナポータル連携による自動入力:源泉徴収票や控除証明等(対応分)を一括取得→作成コーナーに自動反映。(利用はマイナンバーカード方式のe-Taxに限る。)
e-Taxの送信方式(作成コーナー)
  • マイナンバーカード方式(2次元バーコード/ICカードリーダ)が基本。
  • スマホ+マイナンバーカードでそのまま送信可能(令和7年分からiPhoneにも対応。スマホ用電子証明書を利用すれば、カード読取なしでe-Tax送信可)。
  • ID・パスワード方式の新規発行は2025年10月から停止。既に発行済みの方は当面利用可。

3. 判断フロー(どれを選ぶ?)

  • マイナンバーカードがある → スマホ/PCでe-Tax(最短・添付省略・証明確実)
  • カードがないが今年電子で出したい → 速やかにマイナンバーカード取得/更新 → e-Tax
  • どうしても紙提出 → 確定申告書等作成コーナーで確定申告書を作成・印刷し、郵送(信書扱い)または持参(時間外収受箱も可)。

4. 事例(今年からの実践イメージ)

事例A:給与+副業の初申告、スマホでe-Tax
  1. マイナンバーカードと暗証番号(署名/利用者)を確認
  2. 確定申告書等作成コーナーで入力→マイナポータル連携で証明書類の自動取得(対応分)
  3. e-Tax送信受信通知をPDF保存→(還付の場合)還付状況をWEBで確認→ 添付省略+3週間程度で還付見込み。
事例B:青色申告(個人事業者)、65万円控除を狙う
  1. 複式簿記で記帳・決算書作成
  2. 確定申告書等作成コーナーで青色申告決算書・申告書を作成
  3. e-Tax(または「優良な電子帳簿保存」要件)で期限内申告青色申告特別控除65万円の要件を満たす。

ポイント:国税庁の「確定申告書等作成コーナー」は無料で、e-Tax送信も印刷提出もどちらも対応可能です。

5. よくある誤り(チェックリスト)

  • ID・パスワード方式の“新規発行”に頼る前提(2025年10月以降は新規発行停止)。
  • 紙提出の控えに収受印を期待(2025年1月以降は押なつ廃止。代替証明の用意を)。
  • 郵送方法の誤り(税務書類は信書。第一種郵便/信書便として送付)。
  • マイナンバーカードの電子証明書の有効期限切れ(5年。期限切れは更新要)。
  • 還付状況の確認先を知らない(e-Taxのマイページで確認可能)。

6. FAQ

Q1. 国税庁の「確定申告書等作成コーナー」は無料?

A1. 無料です。確定申告書を作成しそのままe-Taxで電子申告することも、確定申告書の作成までを確定申告書等作成コーナーで行い、完成した確定申告書等を印刷して税務署へ提出することも可能です。

Q2. スマホだけで完結できる?

A2. できます(マイナンバーカード+対応スマホ)。令和7年分からiPhoneにも対応したスマホ用電子証明書を使えば、カード読取なしでe-Tax送信が可能です。

Q3. ID・パスワード方式はもう使えない?

A3. 新規発行は2025年10月以降停止されています。既に持つ人は当面は利用可能です。

Q4. 還付はいつ頃?

A4. e-Taxの還付申告は概ね3週間程度が目安のようです。

Q5. 添付省略できる書類は?

A5. 生命保険料・地震保険料・社会保険料・医療費通知等(多くの第三者作成書類)。ただし原本の保管義務はあります。

Q6. 郵送の宛先と種別は?

A6. 宛先は住所地(原則)の所轄税務署です。第一種郵便または信書便として郵送します。

Q7. 紙提出の受付印はもらえる?

A7. 令和7年1月以降は申告書等の控えに収受日付印の押なつを行いません。提出証明は別手段で確保する必要があります。(ただし、当面の間は「日付」や「税務署名」を記載したリーフレットを希望者にお渡しするとのことです)

Q8. 青色65万円控除の条件は?

A8. 複式簿記ほかにe-Taxによる電子申告または優良な電子帳簿保存が必要です。

Q9. 提出後の控えはどう保管?

A9. e-Taxの受信通知・申告データのPDF保存を推奨します。

Q10. 所得税の確定申告期間は?

A10. 2月16日から3月15日までです。(土日祝日である場合は翌平日)

Q11. マイナポータル連携は誰でも使える?

A11. 確定申告書等作成コーナー×マイナンバーカード方式のe-Taxで利用可能です。ID・パスワード方式や書面提出では利用できません。対応データは発行主体の連携状況によります。

7. 改正注意・実務メモ

  • ID・パスワード方式:新規発行停止(2025年10月~)。初めての方はマイナンバーカード方式でe-Tax。
  • 収受日付印の廃止(2025年1月~):紙提出の「控えに印」は不可。e-Taxの受信通知や納税証明書等の代替手段を案内。
  • スマホ用電子証明書の対象拡大(令和7年分〜):Androidに加えiPhoneにも対応。カード読取不要でe-Tax送信が可能。
  • マイナポータル連携の対応範囲:取得できる証明書・発行主体は毎年更新。国税庁の案内で最新を確認。

8. いますぐ始める(確定申告書作成~e-Tax送信の最短ルート)

  1. マイナンバーカード・暗証番号を確認
  2. 確定申告書等作成コーナーで確定申告書作成(マイナポータル連携を有効にすると、証明書類取込可〈対応分〉)
  3. e-Tax送信(2次元バーコード/ICカードリーダ/スマホ用電子証明書)
  4. 受信通知とデータを保存/(還付の場合)還付状況の確認

—— ここまですべて無料で実行できます。

9. まとめ

確定申告の提出方法には「e-Tax(電子申告)」「郵送」「税務署へ持参」の3つがありますが、最も推奨されるのは「e-Tax」です。

e-Taxは、添付書類の省略、還付金の早期受領(概ね3週間程度)、青色申告特別控除65万円の要件充足など、納税者にとって大きなメリットがあります。

2025年1月からは書面提出の控えへの「収受日付印」が廃止され、同年10月からはe-Taxの「ID・パスワード方式」の新規発行も停止されます。これからは「マイナンバーカード方式でのe-Tax」が申告のスタンダードです。

国税庁の「確定申告書等作成コーナー」は、無料で申告書作成からe-Tax送信まで対応しており、スマホ申告も可能です。この記事を参考に、今年から便利で確実なe-Taxでの申告を始めましょう。

10. 参考情報

11. 関連内部リンク